木曜日, 7月 29, 2021

映画『終わった人』公式サイト

いまや、4人に1人が65歳以上となる超高齢化社会。日本が抱える大きな課題の一つであり、高齢者を取り巻く環境の中で避けられない普遍的テーマとなる「定年」にスポットを当てた本作は、第二の人生と向き合っていく高齢者の実態とリアルな夫婦・家族の在り方を、心地良いユーモアと味わい深い人間ドラマが交差する、心温まるコメディとして描かれている。

主演は、世間から「終わった人」の烙印を押されてしまう主人公・田代壮介役に舘ひろし。「西部警察」や「あぶない刑事」シリーズなどで演じてきたスタイリッシュでハードボイルドな役柄とは180°違い、出世コースから外れそのまま定年を迎えていく“情けない男”に挑戦する。かつての輝きを失った夫と向き合えない美容師の妻・田代千草役に黒木瞳。舘とは、映画初共演(ドラマを含めると4度目の共演)となる本作では、意志が強く頑固で、夫の態度に呆れつつもしっかりと気にかけ支えていく心優しい女性として、夫婦の絶妙な心理描写を体現していく。そして、壮介が密かに想いを寄せるカルチャースクールの受付嬢・浜田久里役に広末涼子、すれ違う両親の姿を見守っていく娘・山崎道子役に臼田あさ美、壮介の人生の転機となる新興IT企業社長・鈴木直人役に映画初出演の今井翼のほか、ベンガル、清水ミチコ、温水洋一、高畑淳子、田口トモロヲ、笹野高史などバラエティ豊かなキャスト陣が顔を揃える。

そして、本作のメガホンを取るのは、『リング』、『仄暗い水の底から』など数々のホラー作品で観客を震え上がらせ、ハリウッド作品『ザ・リング2』で世界を席巻した中田秀夫。今回初めて、笑って泣ける人間喜劇に挑戦する。原作に惚れ込み、「本当に撮りたかった作品」と力強く語る中田秀夫自らが映画化権取得に動いた本作は、並々ならぬ熱量と想いが込められている。

また、主題歌は今井美樹が務め、作詞・作曲を布袋寅泰が手掛けた。台本を読み込んだ上で、この映画のために書き下ろされた「あなたはあなたのままでいい」は、夫婦の想いが込められた渾身の楽曲となっており、本作のラストを温かに彩る。

高度成長期を仕事一筋で駆け抜けたサラリーマンが、新たな生きがいを求め、第二のキャリアを築くために、戸惑い、足掻き、奮闘していくその姿と出会う様々な人とのつながりを、優しさ溢れる空気感と等身大の人間模様で綴った定年コメディ『終わった人』を是非ご堪能下さい。

仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり・・・。美容師として忙しく働く妻・千草(黒木瞳)につい愚痴をこぼし、次第に距離を置かれてしまう。このままではマズイと職探しを始めるも、高学歴・高職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。しまいには、千草や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せるようになる。さらに、通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人(今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、壮介の人生が大きく変わろうとしていた。定年を過ぎて仕事に恋に、第二の人生を歩み出した壮介。順風満帆に思えたのも束の間、次々と壮介の身に災難が降りかかってしまう。そして、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案されるのだった。


キャスト

舘 ひろし

東大卒で大手銀行に入行するも、出世コースから外れ出向先の子会社で定年を迎える。仕事一筋だった為、あり余る時間を持て余し途方に暮れてしまう。

1950年3月31日生まれ。愛知県出身。76年に東映映画『暴力教室』で俳優デビュー。その後、82年に出演したドラマ「西部警察」(79〜/EX)をきっかけに83年に石原プロモーションに入社。近年は、神田正輝とW主演の「クロスロード」(16/ NHK BSプレミアム)、「マチ工場のオンナ」(17/NHKドラマ10)に出演。内館とのタッグは、映画『義務と演技』(97)から20年ぶり2作目。黒木とは「刑事貴族」(90/NTV)、「新宿鮫 屍蘭」(96/NHK)、に続き4作目、約20年ぶりの共演。また、中田監督とは初顔合わせ。『さらば あぶない刑事』(16)以来の映画主演である。

黒木 瞳

壮介の妻。美容師として働きながら家庭を支え、毎日愚痴ばかりこぼす夫に呆れつつも、その様子を気遣っていたのだが・・・。

10月5日生まれ。福岡県出身。宝塚歌劇団月組のトップ娘役を務め、退団後、86年に東映映画『化身』で映画初主演。テレビ版「義務と演技」(96/TBS)、「愛しすぎなくてよかった」(98/EX)で内館とタッグを組んでおり、今作は19年ぶり3作目。また、中田監督とは『仄暗い水の底から』(02)、『怪談』(07)に続く3作目のタッグ。近年は、水曜ドラマ「過保護のカホコ」(17/NTV)や舞台「京の螢火」明治座座長公演(17)のほか、映画『フェリシーと夢のトゥーシューズ』(17)ではアニメ声優を務め、その活躍ぶりは留まることを知らない。

広末涼子

カルチャースクールの受付嬢。夢は童話作家で、好きな文学の話になると夢中になり、つい故郷・盛岡の訛りが出てしまう。

1980年7月18日生まれ。高知県出身。94年にCMコンテストでグランプリを獲得しデビュー。高視聴率ドラマに多数出演。映画出演作では、『おくりびと』(08)、『ゼロの焦点』(09)で日本アカデミー賞・優秀主演女優賞を、『鍵泥棒のメソッド』(12)で優秀助演女優賞を受賞。近年は「奥様は、取り扱い注意」(17/NTV)、『ミックス。』(17)などに出演。待機作に映画『ラブ×ドック』(5/11公開)がある。巧みな演技力で様々な役柄を演じ分け、実力派女優として活躍中。

今井 翼

カルチャースクールの受付嬢。夢は童話作家で、好きな文学の話になると夢中になり、つい故郷・盛岡の訛りが出てしまう。

1981年10月17日生まれ。神奈川県出身。95年にジャニーズ事務所に入所。02年には滝沢秀明とのユニット・タッキー&翼を結成。俳優として「ネバーランド」(01/TBS)で主演を務め、以降も「最後の弁護人」(03/NTV)や「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」(16~17/NHK総合)に出演。約14年ぶりとなる民放連続ドラマ「屋根裏の恋人」(17/CX)では、中田監督ともタッグを組んでおり、今作が映画初出演。18年6月には、山田洋次監督演出の舞台「マリウス」の大阪公演も控えている。

臼田あさ美

壮介の娘。一児の母として子育てに勤しむも、時々実家に顔を出してすれ違う両親の姿を見守っている。

田口トモロヲ

千草のいとこ。イラストレーターで壮介の良き相談相手でもある。頻繁に田代家を訪れる。

1957年11月30日生まれ。東京都出身。82年『俗物図鑑』で映画デビュー。同時期にパンクバンド「ばちかぶり」を結成し、ミュージシャンとしても活動。89年映画『鉄男』主演。映画『アイデン&ティティ』(03)で監督デビュー。『色即ぜねれいしょん』(09)で新藤兼人賞銀賞受賞。「プロジェクトX」(00~05/NHK)でナレーターを務める。近年の映画出演作に『探偵はBARにいる』シリーズ(11・13・17)、『PとJK』(17)等。18年春には『孤狼の血』の公開が控えている。

笹野高史

壮介の高校時代の同級生・元ラグビー部員。勤めていた一流商社を辞めてボクシングのレフェリーに転職。

1948年6月22日生まれ。兵庫県出身。1983年『ふしぎな國 日本』で映画デビュー。実力派俳優として確固たる地位を築き、『男はつらいよ』シリーズ、『釣りバカ日誌』シリーズに出演。『武士の一分』(07)では、第30回日本アカデミー賞・作品賞を受賞。ドラマや舞台と、出演作も多岐にわたり「ドクターX~外科医・大門未知子~2」(13/EX)、「コクーン歌舞伎」、「平成中村座」などで存在感溢れる演技を披露。17年も『散歩する侵略者』のほか、多数の映画に出演。18年には『空飛ぶタイヤ』の公開も控えている。

ベンガル

介の高校時代の同級生・元ラグビー部員。震災を機に勤めていた会社を辞め、地元・盛岡で復興のNPO法人を立ち上げる。

1951年8月17日生まれ。東京都出身。自由劇場を経て、1976年に劇団東京乾電池を結成。『赤塚不二夫のギャグ・ポルノ/気分を出してもう一度』(79)で映画デビュー。舞台活動と並行して映像分野でも活躍。『あぶない刑事』テレビ・映画シリーズ、大河ドラマ「軍師官兵衛」(14/NHK)、「伝七捕物帳」(16/NHK BS時代劇)など数々の作品に出演。名バイプレイヤーとして欠かせない存在。

高畑淳子

壮介の妹。地元・盛岡で、母・ミネと暮らしている。明るい性格で兄を尊敬し慕っている。

1954年10月11日生まれ。香川県出身。76年青年座に入団。『あしたの火花』(77)で映画デビュー。その後、「仮面ライダーBLACK RX」(88~89/TBS)のほか、東映特撮作品に多数出演。代表作に、『釣りバカ日誌9』(97)、「3年B組金八先生」シリーズ(TBS)、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(12)などがある。卓越した演技力で、読売演劇大賞・最優秀女優賞や紫綬褒章をはじめ、数々の受賞歴を誇る。

岩崎加根子

壮介の母。盛岡を出て、東大を卒業し大手銀行を定年まで勤め上げた息子を誇らしく思っている。

1932年10月25日生まれ。北海道出身。俳優座養成所1期生として52年に劇団俳優座に入団。俳優座が生んだ三大新劇女優の一人と謳われ『ひめゆりの塔』(53)、『おとうと』(76)、「水戸黄門」(02~03/TBS)、大河ドラマ「新撰組!」(04/NHK)など、数々の映像作品に出演。舞台「エヴァ、帰りのない旅」、「あなたまでの6人」で第6回読売演劇大賞・最優秀女優賞、第33回紀伊國屋演劇賞・個人賞を受賞。

温水洋一

山下メディカル社・社長。ハローワークの紹介で訪れた壮介の採用面接を行う。

1964年6月19日生まれ。宮崎県出身。88年より数々の小劇場への出演を経て、その後映画、ドラマ、CMなどで、個性派俳優として幅広く活躍。山崎貴監督『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどの作品をはじめ、これまでに80本以上の映画に出演。現在「ぶらぶらサタデー タカトシ・温水の路線バスの旅」(CX)にレギュラー出演中。昨年出演した舞台「管理人」(17)で紀伊國屋演劇賞・個人賞を受賞。

清水ミチコ

山下メディカル社・副社長。東大卒の壮介を物珍しく思い、採用面接を夫に勧める。

1月27日生まれ。岐阜県出身。83年よりラジオ番組の構成作家として活動しつつ、CMなどで声のキャラクターも務める。「冗談画報」(87/CX)でTVデビュー、同年より「笑っていいとも!」(87/CX)でレギュラー出演がスタート。多才な才能を活かし『お日柄もよくご愁傷様』(96)、CGアニメ映画『サーフズ・アップ』(07)、大河ドラマ「真田丸」(16/NHK)などに出演。アーティストとしても活躍中。

渡辺 哲

壮介の高校時代の同級生・元ラグビー部員。巨人の川上と同じ背番号だったので、あだ名は「16番」。家業のカメラ店を継いでいる。

1950年3月11日生まれ。愛知県出身。75年に劇団シェイクスピア・シアターの設立に参加。黒澤明監督の『乱』(85)で映画デビュー。代表作に『ソナチネ』(93)、『ヒミズ』(12)、『シン・ゴジラ』(16)、「火花」(17/NHK)などがある。強面なキャラクターからコミカルな役柄まで、幅広く演じ分ける実力派俳優。近年は海外映画の出演も多い。